ピアノ練習法

「レパートリーが増えない」という悩みの解決策

以前書いたこの記事に対して、Twitterでコメントをいただきました。

https://sanoshimon.com/2019/05/16/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AE%E6%82%A9%E3%81%BF/

レパートリー!たしかに増やしたいけれど、いつでも弾ける曲を数曲すら持てない!
暗譜にいつも不安があり「楽譜がないと…」なのと、少し弾いてないとすぐにレベルが落ちちゃいます。
この悩みに対するご意見もお伺いしたいです!

お答えしましょう!
しかし、「解決法」というよりは、
「私ならこうします」という一つの意見として捉えてください!

世の中には特殊能力の持ち主が存在する

私のピアニスト仲間には、今まで弾いた曲を全部弾ける人間が存在します。
はっきり言って意味がわからないです。

彼らのその能力は才能だと思って諦めることにしてますが、
科学的な解明が待たれるところです。

ただ、暗譜し続けるという点で彼らに近づくことはできます。

記憶するメカニズム

記憶は、感情に結びつけることで定着することが科学的に証明されていますが、
ピアノも同じで、
視覚的な要素(鍵盤の位置や指使いなど)
聴覚的な要素(音の響きなど)
触覚的な要素(体の使い方など)

で覚えるだけではなく、それらを感情と結びつける必要があります。

そもそも演奏すること自体が感情と結びついているわけで、
感情を表現することを練習の時から(譜読みの内から)やっておくことで、
演奏の音楽的レベルも上がります。

なので、
暗譜ができない主な要因は、感情との結びつきが足りないこと。
そして、
その結びつきが足りないと演奏としても人に感動を伝えることは難しくなります。

なので、まずは譜読みから楽譜を音楽的に読むことが必要です!

https://sanoshimon.com/2016/06/08/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E7%9A%84%E3%81%AB%E6%A5%BD%E8%AD%9C%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%80%E6%96%B9%E6%B3%95/

 時間がない中で暗譜し続けるには

1日の中で他の事をしながらピアノも練習するとなると、
どうしてもまとまった時間が取れずに集中して曲に取り組めないことがあると思います。

その中でできることと言えば、

✔︎その曲を譜読みする前にその曲を沢山聴いておく
→譜読みは効率爆上がり。全く聴いたことがない曲よりも、自分の耳と頭に残っている曲の方が譜読みが早いのは明らかです。

✔︎ピアノが練習できない時間帯でも、楽譜を観ながら他人の演奏を聴く
✔︎楽譜を観ながら、自分の頭の中で音楽を鳴らす
→この2つが何故効果的かというと、
まず、楽譜という視覚的情報と合わせて音楽を感じる・考えることができる。

更に、譜読みが進んできた段階だと、
他人の演奏を聴きながら自分が弾いているところを想像することができる
(具体的には、指使いとか体の使い方、呼吸の仕方、そこ付随する感情などもイメージできるようになる)

そして、
人間は自分の頭の中で音を鳴らしながらピアノを弾いている自分を想像するだけで、
実際にピアノを触って練習した時とほとんど変わらない脳の反応があることが、
脳科学で証明されています。
その本がこちら。

これ、めっちゃ面白い内容なのでオススメです。

まとめ

✔︎譜読みの前にその曲をたくさん聴く
✔︎楽譜を見ながら頭で音を鳴らしたり、弾いているところをイメージする
✔︎実際にピアノを触って練習する時は出来るだけたっぷりと集中する時間を作って一気に譜読みする
✔︎一度感情と結びつけて覚えてしまえば簡単に記憶からなくなることはない

それでも暗譜は頭から薄れていきますが、
上記のことを続けながら音楽的に感じられることを多く、深くしていくと、
弾ける状態に戻すのが早くなっていきます。
(以前と体の使い方が変わっていたりすると、すぐには戻りませんがそれはまた別の話)

少ない時間の中でも時間の使い方によってはもっと音楽的に深いところまでいけるので、
やってみてください!