こんにちは、しもんです!
今日は、プロぷよらーのdeltaさんが麻雀を打っていてその牌譜がとても面白いものだったので個人的なメモとしてブログを使います。
本日の記事は麻雀のレベルが中級者以上向けですが、
初心者〜初級者だとしてもこれから先に麻雀が強くなりたい人は読んでも長期的視点でみたら損はないと思います。
ちなみに今日これから書く内容があんまりわからなかった方は、
この2人の解説動画をみていったらいつの間にか理解できるようになるはずです!
というか、僕は動画だけでは飽き足らず統計学の本を読みました。
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これは中級者以上向けの本ですが、強くなるには統計の知識をつけていくのが手っ取り早いです。私はこの本のおかげで一気に強くなりました。
ただ、
・統計データを盲信する
・感覚だけで打って統計データを信用しない
この2つはやってはいけないので、ニュートラルの状態を常に意識していくことが大切です。
麻雀の牌譜検討①
麻雀が上手くなるためには牌譜検討は必須です。
ただ、牌譜検討をする時に気をつけたいことがあります。
それは、
・結果論で考えるのではなく、統計的なデータや知識で判断する
これです。
麻雀というのは100点の答えがあるものではなく、期待値を求めていくゲームです。
言い換えると、ある程度の運要素があるという意味です。
期待値に沿った打ち方ができるようになると、今までは「運」で片付けていたところを数値化できてその局面において正しい打ち方だったかどうかがわかります。
ちなみに私は麻雀の8〜9割は実力だと思っています。運要素は1〜2割です。
delta(デルタ)さんの牌譜
こちらは牌譜というよりたった一回の打牌ですが、めちゃくちゃ面白い情報が詰まっているのでシェアさせていただきます。
雀士2の初心者で2m出して振り込んだんですが、親の一発警戒+押しても満貫手にならないので2m切らないべきですか? pic.twitter.com/yXcDBVs5Uv
— delta/Yuya Sekiguchi (@delta_so) January 14, 2021
さて、deltaさんの投稿にある実際のシーンがこちらです。
【今の状況】
・東1局 3本場 供託2本(リーチ棒が2本)
・自分は34300点持ちの暫定トップ
・2着の親とは1500点差
・1副露(フーロ)で混一色テンパイ
・8巡目の親のリーチ(今回通っている筋は7本)に対して一発目で無筋の2mをツモってきた
今日扱うのは【押し引き】の問題です。
まずdeltaさんの手牌ですが、
・6sと南のシャボ待ちテンパイ
・上がり牌をツモってきた場合は符ハネして5200点
・6sで出上がり(ロン)だと3900点、南で出上がりだと5200点
という状態です。
そして、何か嫌な牌をツモってきてそれを切るかどうかを判断する場合に必要なことは次のとおりです。
①切りたい牌の放銃率を出す
②局収支を計算する
③要求打点を出す
④和了価値指標を掛ける
では実際にやっていきましょう!
先に結果だけ言っておくと今回の場合は押し有利です。
「供託があるので押し有利」「もし供託がなければベタオリ」が今回の正解になります。
①放銃率を出す
リーチ者に通っている筋(スジ)の本数を数えれば統計のデータから放銃率がわかります。
筋というメカニズムについてわからない人もいると思うのですが、ここでは説明を省きます。ちなみに麻雀における筋は全部で18本あります。
今回の場合、親のリーチに通っている筋が7本に対して、通ってない筋(無筋)の2mを切る時の放銃率は8.5%くらいです。
これは上記に紹介した本に統計データが詳しく乗っています。
(Kindle Unlimitedならタダで読めます)
(出典:みーにん著『統計学のマージャン戦術』140pより)
上の表の9巡目、通った筋の本数7.1のところの無筋28の放銃率が8.6%ですので、今回は少しでもわかりやすいように8.5%としました。(正直ここはそこまで重要ではないです)
とりあえず、8〜9%くらいの確率で放銃するよってことです。
(実戦では実際に放銃率の表をみる時間などないので、ある程度放銃率を覚えたらあとは感覚で打ちます)
②局収支を出す
局収支というのは、点棒の収支期待値のことなのですがあまりにも複雑なため説明は割愛します。
計算式は、
(局収支)=(和了率)×(和了時収入)
+(放銃率)×(放銃時収支)
+(被ツモ率)×(被ツモ時収支)
+(横移動率)×(横移動収支)
+(流局率)×(流局時収支)
となりますが、マジで難しいですよね。
とりあえず、考えることは
✔︎『リーチに対してベタオリした時の局収支』と『自分の手を押した時の局収支』の差
です。
『自分の手を押した時の局収支がベタオリ時の局収支より点数が高ければ押し有利、ベタオリ時の局収支の方が高ければ降りた方が良い。』
ってことになります。
今回のdeltaさんの手牌の場合、
「子である自分が副露してテンパイしている時に親のリーチに押していくか」なのですが、
まずベタオリした時の局収支は-1700点になります。
そして、押した場合の局収支は-1200点くらいです。
押した方が500点得するので押しが有利なことがわかります。
しかし、大切なのは③と④です!
(計算方法について知りたい方は実際に本を読んで勉強してください🙇♂️)
③要求打点を出す
今回知りたいのは、
「筋が7本通っている親のリーチに対して副露している子の自分の要求打点はいくらなのか」です。
ちなみに要求打点に関しては、うに丸さんの動画でも大枠の部分が解説されています。
今回の手牌の点数は3900点か5200点になります。
簡略化して(3900+5200)÷2=4550点
ということにしておきましょう。
さらに、
供託が2本あって3本場なので、それを足すと自分の打点は7450点になります。
とにかくこの供託が美味しい!
さて要求打点ですが、
今回は自分のテンパイが愚形待ち(シャボ待ち)で1発で放銃率8.5%くらいの牌を切るので表から計算すると要求打点は4160点くらい必要になります。
自分の打点が7450点ですので完全に押し有利です!
そして、最後にいきます!ここが考え方として大切です!!
④和了価値指標を掛ける
さっきの要求打点は東1局の平場での要求打点です。
しかし、今は東1局ですが自分はトップ目でライバルの親がリーチしてきたという状況なんですよね。
まずこの時点で考えるべきことは、
トップ目の人は加点をするために勝負して失点する可能性を増やすよりも、ベタオリして失点を少なくした方が長期的には勝てる
ということです。
点数が少ない人であれば加点するために勝負する価値はあるのですが、トップ目の場合は勝負する価値が下がりますよね。
和了価値指標(ホーラかちしひょう)というのは、そういう状態を加味した上での要求打点を出したものです。
今回は34300点持ちなので、上がりの価値は下がって和了価値指標は1.00ではなく0.68になります。(ここらへんも本に詳しくデータが載っています)
それを計算すると、要求打点は4160点から6020点に上がります!
今回の自分の打点は7450点だからまだまだ押し有利ですね!
もし供託がなかった場合は打点が4550点なので要求打点を満たしておらず、ベタオリした方が良いことになります。
あと、今回は上がり牌の6sも南も自分からみて2枚ずつちゃんとありますが、上がり牌が相手の捨て牌に切られていた場合はそもそもの上がり牌の枚数が少なくなるのでベタオリ有利になります。
さらに!
今回は自分の目からみてドラの9mや赤ドラが1枚しか見えていません。
9mは端牌で使いづらいことを考慮しても、自分の目からみて1枚しか河に捨てられていないということは、相手の手にドラが入っている確率が相対的に高くなるため相手の打点が高いことが予想されます。
もし、自分がドラを使っていたり捨て牌にドラが見えている場合は相対的に相手の打点も下がるので押しやすくなります。
そういうことも加味した上で押し引きを決める必要があります。
まとめ:今回伝えたいこと
途中の計算とか実はけっこう雑なのですが大枠としてはこんな感じです。
簡単に言ってしまうと、
✔︎ 3飜あれば愚形待ちでも大体押せる!
✔︎ 点数状況に応じて打ち方を変える必要もある!
✔︎ ドラの枚数は数えておいた方がいい!
ってことです。
とくに初心者のうちはあまり点数状況のことを考えられないと思うのであまり気にする必要はないのですが、トップや2着をとるための立ち回り(雀魂の場合は4着をとらない立ち回り)がとても大切になるので点数状況によって打ち方を変えることはこれから必要になってくると思います。