先日こういうツイートをしました。
https://twitter.com/Shimon_Sano/status/1138671638357037056
ピアノという楽器はだれでも(猫でも犬でも)簡単に音を出せてしまうので音色作りまで行き着く人は少ないですが、
「自分一人で弾いている」
という視点から、
「声部ひとつひとつを、命をかけて歌っている人たちが存在している」
という視点で練習すると、
今よりも確実に、音に命が宿ります。
子供の頃にピアノを習った方々はバッハを沢山弾いたと思いますが、
バッハを練習するのは「弾けるようになることが目的」というよりも、
「多くの声部を聴き分けて感じることが目的」です。
声部を聴き分けて感じた上で、全ての声部を統合するのが、本当の意味での「弾ける」ということ。
”音楽を感じる”と一言で言っても、やることは無限にあります。
音楽=リズム、メロディー、ハーモニーという3つの要素で構成されているわけですが、
この3大要素をどのように感じるかはこちらの記事を読んでください。
「声部1つ1つに対して命をかけて歌っている人がいる」という感覚はこういうところでも発揮されます。
1つの音がずっと伸びていて、その中でハーモニーが変わる時。
ピアノだと、音が伸びてる間は色を変えられないと思われがちですが、
ちゃんとハーモニーを感じてあげることで伸びてる音の色とエネルギーを変えることができます!
これができるようになると自分でも納得感を持って弾くことができるし、
実際に音楽的な説得力が増します!
ピアノは一人オーケストラ!
ピアノという楽器は一人でたくさんの声部を弾くことができます。
しかし、弾くことができても全ての声部を感じて弾ける人は圧倒的に少ないです。
伝え方が難しいですが、
指で弾いている人は声部による音色の違いを表現することはできませんが、
頭と耳で弾いている人はその違いを表現できます。
頭でその音をイメージして、耳で聴いて判断するというプロセスがとても大切です。
練習方法
自分で実際に歌ってみる
声部がたくさんあるときは、まず自分で声に出して歌ってみてください。
その後に、1つの声部を歌いながら他の声部を弾いてみてください。
この練習をすると聴き分ける能力が高まります。
そして、慣れてきたら頭で1つの声部を鳴らしながら他の声部を弾く。
更に慣れてきたら頭で複数の声部を鳴らしながら、頭で鳴らしてない声部を弾く。
この練習をすると、耳が鍛えられます。
オーケストラを聴いてとにかく音真似
オーケストラの作品を聴く、というのはそれだけで音色の引き出しが増えるのでとにかく聴きまくってください。
良いものを知らないと、良いものを生み出すのは不可能です。
オーケストラの音(各楽器の音)を知ることで初めてその楽器の音をピアノで出すことができます。
とにかく知ること。これが重要。
まとめ
ピアニストって、たくさんのことを一人でできてしまうのですが、
クラシック音楽の観点から見ると、
「弾ける」ということ自体にはそこまで意味がなくて、
「感じる」ということがとても大切であることがわかっていただけたと思います。
本当は「弾ける」という言葉の中に「感じる」が含まれているべきなのですが、
世の中には「弾ける」だけの人が溢れているため、あえて違う言葉にしてみました。
「弾ける」というのを否定している訳ではありません。
ですが「その先がある」ということを伝えたくてこの記事を書きました。
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。