こんにちは、しもんです!
私はショパンコンクールには出場したことがありませんが、
今まで(予備予選、1次、2次、3次、本選という形の)大きな国際コンクールに出場してきた人間として伝えたいことがあります。
特にコンクールの参加者を応援している皆様やTwitterやYouTubeで発信している方々には聞いていただきたいです。
ショパン国際コンクールについて思うこと
個人的には、演奏に対する意見や感想は控えている
コンクールについての感想を言うのは人それぞれの自由ですが、私個人としてはコンクール期間中は意見や感想を言わないようにしています。
なぜなら、実際に僕が国際コンクールを受けてそれが全世界に生放送された時に、コンクールの最中にいろいろなことを言われるのが本当に嫌だったからです。
シャットアウトして見なければいいだけの話ですが、どうしても怖いもの見たさで見てしまうんですよね。
何を言われても動揺せずに事実を受け止めるのもプロとしての使命かもしれませんが、素人たちに批評をされていると言うのは良い気持ちはしません。
それは皆さんも想像できると思います。
もちろん、個人差はあります。きっと意見や感想を言われるのが好きな人もいるでしょう。しかし、私は嫌でした。
『コンクール期間中に否定的な意見や感想を言われて嫌な人がいる』ということは認識しておいていただけると嬉しいです。
あと、全ての演奏を聴いている立場のある先生が参加者に対して名指しで感想や意見を言うのは「配慮が足りないなぁ」と個人的には思います。
色々な人を名指しで褒め称えている中で、もし感想を言われなかった人がいたらそれは暗に「よくなかった」と伝えているようなものだからです。
批評には深い知識が必要
“知識とは、理解に行為が加わったものである”
とネイガウスも言っていますが、他人の演奏を批評するには音楽に対する深い理解と経験が必要です。
本来は、批評する側は演奏家よりもレベルが高くないといけないのです。
でも世の中を見て…どうでしょう?
レベルの低い人たちが批評していますよね。
批評するだけの人間になったら終わりです。
ただ、私は批評を全て否定している訳ではありません。
深い知識を持っている人の批評は大歓迎です。
なぜなら批評があることで人間は成長するし、社会は発展していくからです。
でも、プロでない限り批評家気取りの発言は控えた方がいいと思います。
生放送のチャット欄は見ない方がいい
【全人類に伝えたい!コンクールの生放送をYouTubeで視聴するときのコツ】
✔︎ チャット欄を見ない
以上。
— 佐野 主聞 / Shimon (@Shimon_Sano) October 4, 2021
まずチャット欄は素人たちが意見や感想を言っているだけなので、見る価値はありません。
そして、チャット欄を見ることで視覚の集中力を奪われるので音楽を深く聴くことができません。
そもそもチャットコメントをすると言う行為は、音楽そのものを楽しんでいるのではなくネットを楽しんでいるんですよね。
それを否定するつもりはありませんが、チャット欄では民度があまりにも低いので見ない方が良いです。
少なくとも英語で書いてくれ!
ショパンコンクールの公式が「英語で書いてね」というルールを定めています。
日本語で書くのはダメです。ルール違反です。
「郷に入れば郷に従え」
これは守ってください。
英語でコメントしないと本当に恥ずかしいですよ。
もしわからないのであれば、「沈黙は金」です。
何も書かずにチャット欄を閉じて黙って演奏を聞きましょう。
チャット欄で喧嘩するな!
僕ら音楽家は、周りの人を幸せにしたり世界を平和にするために音楽をやっているのに、チャット欄で喧嘩しているその時のあなたは、音楽から最も離れた存在になっています。
カラヤンも、
“私にとって、音楽をすることが平和をもたらす道である。”
と言っています。
相手を変えることはできないので、嫌なコメントがあったら非表示にするか、そもそもチャット欄を見るのをやめましょう。
場所が変われば応援の仕方も変わる
ショパンコンクールというのは伝統あるコンクールです。
日本のピアニストYouTuberの生放送と同じノリを持ち込まないでください。
「88888888」なんて絶対ダメなことくらいわかるはずです。
以前、かてぃん君がブルーノートでライブを開催した際に、「プラカードのようなものを持って応援するのは控えてください」というようなことを言っていましたよね。
TPOに応じて、応援の仕方は変わらないといけないのです。
ショパンコンクールでも同じです。
他人の家に土足で入って汚さないでください。
『素人の意見』と『専門家の感想』には耳を貸すな
違う言い方をするのであれば、
「アマチュアの意見」と「プロの感想」とも言えるかもしれない。
それには意味がないどころか、害になってしまうこともあります。
逆に、「プロの意見」と「アマチュアの感想」は良いのです。
プロの方はどんどん意見を言いましょう。アマチュアの方はどんどん感想を言いましょう。
でもコンクールにおいては、(一番最初に私が書いたように)少しの配慮があるとありがたいな…と思います。
TwitterやYouTubeで専門家の顔をして感想を言っている人たち
TwitterやYouTubeでショパンコンクールに関して「意見」ではなく「感想」を言っている人たちがいますが、その人たちを否定するつもりはありません。
ただ、その人たちは素人です。
どんなに大御所の先生だろうと、
「感想」を言っている時点でそれは「専門家・プロ」ではなく「素人・アマチュア」と同じ立ち位置になってしまうのです。
私が何を言いたいかというと、
「感想」はどこまで行っても「一個人の感想以上でも以下でもない」ということ。
立場のある先生や、YouTubeで専門家のようなことをやっている人が言っているとしても、それは一個人の感想に過ぎません。
その感想を見た皆さまは、「あの人が良いと言っているから、良い演奏だった!」という考えにならないように気をつけてください。
あなたの感覚が正しかった証明にはなりません。
そもそも芸術は主観的なものです。
自分の好みを「良い・悪い」に置き換えないでください。
シンプルに「自分は好きな演奏だった」でいい。
「良い・悪い」を論じることができるのはプロだけです。
※ここでいう「プロ」は音楽的な意味での「プロ」という意味であって、職業的な意味での「プロ」とは少し違います。
間違いや失敗は許容される
失敗やミスは誰にでもあります。
今回、ショパンコンクールにおいて「自分の行動は間違いだった」と気付けた人は次から気をつけてください。
間違いは許容されます。
なぜなら、間違いや失敗を許容されなくなった世界では、誰も挑戦できなくなって結果的に社会が発展しないからです。
✔︎ ルールを守る
✔︎ 参加者たちへの配慮をする
このことに関して、もう少し考えていただきたいと思いブログを書きました。
読んでくださりありがとうございました!