エッセイ

演奏家としての生き方に決まりなどない! 〜演奏家としての多様性〜

演奏以外の仕事をしながら演奏活動を続けている人!
胸を張れ!
否定したり馬鹿にしてくる人間の言葉なんて気にするな。

先ほど、こういう投稿を見ました。

普通に働きながら音楽してる事がそんなに変⁇
私は語学の仕事も好きだし、お給料も充実してるし、色んな事に対して前向きに生きてるよ。

どうしてその生き方が一途な演奏家を冒涜してるとか、留学したくせに中途半端とか言われなきゃいけないのかな。悲しい。

無駄な経験なんて一つもなかったのに。

実際に、音楽以外の働きでお金を稼ぎながら演奏活動をする人ってたくさんいて、
私もその一人だし、

イスラエル留学前、東京で2年半社会人をやっていた頃は、

・東京芸術大学非常勤講師(大学院時代)
・国立音楽院ピアノ講師
・ハートノート音楽教室ピアノ講師
・出張レッスン、自宅レッスン
・ラウンドワンスタジアム朝霞店アルバイト
・他の仕事しながら半年に1回のソロリサイタル
・その他室内楽の仕事多数

など、とにかく色々な仕事をしてた。
週3〜6日、1日6時間〜8時間ラウンドワンでバイトしながら演奏活動を続けてた。
学生時代はティッシュ配りとかしてた。

この生き方を否定するのはおかしいし、

あとは、
クラシックを勉強していた人間が違う道に行ったりするのを否定するのって、
意味がわからなくない?

なぜなら、
他人には関係ないから。
他人の人生に100%責任を持って養えるなら干渉する資格があるかもしれないけど。

人って、
他人を馬鹿にして自分の優位性を認識したがるし、
自分もそうなる可能性ある。

「他人は他人。自分は自分。」の考え方で生きていきたい。
もう一度、ゲシュタルトの祈りを貼っておきます。

演奏家のマウント取り

以前、誰かのツイートで、

「月にもらう収入の何割かが演奏活動じゃないと演奏家を名乗る資格がない」みたいに言ってる人もいたけど、それはおかしい。

お金の安心感を得ながら演奏活動するのも立派な演奏家。

例えば、
投資などで月100万入ってきて、演奏活動は月5万程度だったとしても、
この人が演奏家であることを否定することは不可能。

更に、音楽とは全く違う仕事をしながらボランティアで演奏しているとしても、
その人は演奏家を名乗って良いと私は思う。

演奏家のプライドを持つのは良いけれど、
無意味な “演奏家マウント” なんて取らずに、
あなたはあなたで活動してくれれば良い。

実際、
全然演奏活動してないのに「演奏のコツ」とか色々な情報商材を売ってる人いて、
それに対して他の人が論理的に意見を言うのは全く問題ないけど、
その人の生き方を否定するのは違うと思う。

線引きが難しいところではあるけれど、
他人を否定するのは凄く簡単なのでやってしまいがちなので私も気をつけていきたい。

最上さんは全く他人を馬鹿にしていないけれど、
「収入の何割か」ってことと「演奏家を名乗る資格」は全く関係ないと個人的には思います。

ただ、彼がこのツイートで言いたかったのは収入の何割か…という箇所ではなく、
「演奏してないのに演奏家を名乗るな。そして、そういう人に騙されるな」というメッセージの方だと思うので、
私が上に書いたこととは少し内容が違いますね。
重箱の隅をつつくような感じになってしまって申し訳ない。

 

ただ、最上さんは”演奏家マウント”を取っていませんが、

演奏家の仕事をメインにしている人たちが、
一般職をやりながら演奏活動をする人たちを見下す可能性は大いにあると思っています。

まとめ

これからの時代の生き方として、
一般職につきながらお金の安心感を得て演奏活動をする人や、
投資家や実業家になった後に、時間とお金の余裕を持ちながら演奏活動をする人が増えてきます。
そして、古い考え方の人間はそういう人たちに使われる人間になります。

演奏をすることにプライドを持つのは良いけど、
「演奏だけで食っていくのが演奏家だ!」という考え方の人がいたら、後々自分の首をしめることになるので、

今のうちに柔軟な思考を持って多様性を認める…というより、
他人と自分を分けて考える思考を身に付けるのが良いと思う。