音楽

【朗報】「音大を卒業しても音楽で稼げない」という時代は終わりつつある【行動あるのみ】

こんにちは、しもんです。

ここ数年はこのブログを始めとした “ネットでの活動” に力を入れていて、
徐々に認知されてきたと思っています。

Twitterのフォロワーは3,000人を超えて、
YouTubeも収益化ができました。

いつも応援してくださっている皆さま、ありがとうございます!

 

さて、音大を卒業しても音楽で食べていけるか不安に思っている人は多いと思います。

今日の記事は、
今現在音大に通っている人や留学生、その親御さん、
もしくは音大を出ても現時点で演奏でお金を稼げていない人向けに書きます。

【大問題】芸大を出ても稼ぐのは大変

私が東京芸術大学の大学院修士を修了したての頃(2011年)は、SNSなんて今ほど普及していなかったし、ネットで稼ぐ人もほぼいなかった時代でした。
そして、自主企画の演奏会をやる人なんてほぼいなかった。

そのため、その当時の音楽の仕事と言えば、

他人から依頼された演奏会(私の場合、いただいた謝礼は1つの演奏会につき3万〜20万ほど)

室内楽の仕事(1曲、もしくは1回の本番につき1-2万円くらい)

レッスン(音楽教室、自宅レッスン、出張レッスン、専門学校など。レッスン代は場所によって違う。自宅レッスンが一番コスパが良い。)

これを見た方は「演奏の仕事をたくさん入れたら普通に稼げるのでは?」と思うかもしれませんが、ピアニストには大量の練習時間が必要です。

室内楽を例にすると、すでにレパートリーになっている曲であれば時間単価は高くなりますが、レパートリーになっていない曲も多いため仕事が多くなればなるほど練習時間を確保する必要が出てくるので本当に大変です。

 

その練習時間にはお金が発生しないので、
時給換算すると

しもん
しもん
時給100円だと…?!

みたいなことになります。
今は練習時間にお金が発生する仕組みができたのでそれについては後述。)

「芸術を時給換算するのはナンセンスだ!」という意見もありますが、
自分の時間単価がどれくらいなのか知ることは大切。

10万円の演奏の仕事に対して300時間練習したら時給は333円。

これでは生きていけないので、
時間単価を上げるか、練習に時間を割いても問題ないような稼ぎ方をする必要がある。

Twitterに書いた通りですが、
例えば1回のソロリサイタル(2時間のコンサート)を、
リサイタルの半年前から1日平均6時間かけて練習したとしましょう。

180日×6時間=1,080時間

これでソロリサイタル(1回)をやってもらえる金額が5万だとすると(音大を出たくらいだとこれくらいの謝礼しかもらえないことは割と多い)、

50,000円÷1,080時間=時給46円

これにプラスして、交通費やプログラムノートを書く時間、打ち合わせの時間などを考えるともっと時間単価は低くなります。

これじゃ生きていけないですよね!

【解決策】じゃあ、どうすりゃええのん?

自分の時間単価の低さを知ったところで、じゃあどうすれば良いのか考えていきましょう。

「今のまま続けていけばいずれ時間単価が上がっていくだろう」という曖昧な考え方で演奏活動を続けていくのは悪い意味での思考停止です。

問題解決をするためには “何をどのようにいつまでに改善する” という具体的なプランが必要。

  

当たり前ですが、自分で考えて行動することが大切です。

他人に頼りっぱなしだといつまで経っても自分で稼ぐ力が身につかずに消耗するし、搾取される側になってしまいます。

 

解決法を大まかに言うと、

自分で自分を売り出して時間単価を上げる方法と、
他の時間単価の高い仕事をして時間を充分に確保しておいてピアノの練習に専念する方法があると思います。

解決策は沢山あるので最終的には自分の頭で考えて試行錯誤していってください。

【解決例 1 】同じプログラムでリサイタルの回数を増やす

自分で行動するのは本当に大変です。

でも、自分で自分を売り出す行動をしていかないとお金を稼ぐのは難しい。

具体的に時間単価を上げる方法の1つ目は『同じプログラムでリサイタルの回数を増やす』です。

 

例えば、
先ほどの例を出すと5万円の謝礼のコンサートを期間はそこまで離さずに3回やったとすれば、

単純計算で150,000円÷1080時間=時給138円

ちょっとだけ時間単価が上がりました。

実際には移動交通費や+αの練習時間が取られるためこんなに単純にはいきませんが、
時間単価が上がるのは確かです。

そんなこと言われても集客できないよ!

はい!その切実な叫びを待っておりました!

集客って死ぬほど難しいですよね。

これはネットを利用するべきです。

個人のリアルな人間関係のツテで集客できる人数は限られています。

なので長期的な視点で、
普段からSNSやブログ、YouTubeなどで良い情報や価値のある何かを人に与えまくる。
そうすることで確実にリターンがあります。

私はネットで他人に与えまくる生活を2年以上続けています。

「与えられたい」とばかり思っていても誰からも与えられないけど、

「与えたい」と思って日々行動していると、
いつの間にか与えるより多くのものを他人から与えられていることに気づく。

『与える人は、より多く与えられる。』

これって真実だなぁと最近実感してる。

✔︎ 日々の生活において自分が与える側になると、だんだんと価値のある存在だと認められる。
そのため、コンサートにも興味を持ってくれる人が増える。

 

そんな時間のかかることはできないよ!

厳しいことを言いますが、人から信頼を得るのは時間がかかります。

この言葉は私も自分に言い聞かせています。

 

SNS上で自分のコンサートの宣伝やコンクールの実績を載せるだけでもあなたに興味を持ってくれる人は現れる可能性はありますが、
あなたを必要に思ってくれる人がどれほど増えるでしょうか。

✔︎  自分を必要だと思ってくれる人を増やす。

これが本当に大切。
誰かに自分を必要だと思ってもらうためには時間がかかります。

誰かに必要だと思ってもらえるような価値を与え続けていきましょう。

具体的な例を1つ出します。

あなたは、たくさんの人にコンサートに来て欲しいと思っているとします。
でも、あなたのことを知らない人がどうしてあなたの演奏を聴きたいと思うでしょうか?

絶対に思わないですよね。

あなたが超絶美男美女でない限り、
宣伝で載っけたチラシを見るだけで「聴きに行こう!」なんて思う人はまずいません。

一番効果があるのは、あなたの演奏をネット上でたくさんの人に聴いてもらうことです。

そのためにSNSやYouTubeを使おう!

演奏じゃなくてもいい。練習風景でいい。
もしくは、あなたが顔出しして喋るだけでもいい。

そこに価値を見出してくれる人はいます。
興味を持ってくれる人はいます。

【解決例 2 】演奏以外の仕事でお金を稼ぐ

これはほとんどの人がやっていることだと思います。
レッスンの仕事やバイトなど。

しかし、練習時間を充分に稼げるくらい時間単価の高い仕事をしている人はどれくらいいるでしょうか?

働き方は、

✔︎自分の時間と能力を売るレッスンやバイト、もしくはウェブライターやデザイナーの中でも売り切りの商品を扱うような即金性のある仕事(フロー型の働き方)

✔︎ブログやYouTubeのように、最初はアホみたいに時間がかかるけどだんだんと時間単価が上がってくる仕事(ストック型の働き方)

の2種類があります。

働き方に優劣はありません。
使い分けできるのが一番強いです。

 

私の体験談(フロー型の労働)

私は、バイト(時間の切り売り)をしながら半年に一度のソロリサイタルをしていた時がありました。

もちろんバイトだけではなくレッスンや室内楽もやりながらです。

結論から言うと、マジで疲弊します。

経験は残るので後悔はしていませんが、よく生きてこれたな…と思います。

 

今私がフロー型の仕事をするとしたら、
将来的に使えるスキルを伸ばしながら信頼も稼げる仕事をします。

例えば、コンサートチラシのデザイン動画編集はスキルさえ身につければ時間単価の高い仕事だし、自分のためにもなります。

 

おそらく現実的に、新しいスキルを身につけるという行動ができない人も多いと思います。

 

だとしたら、やはりレッスン(自宅レッスン)が一番良いです。

演奏をして得るお金よりは時間単価は高いですし、
大学生で自宅レッスンをする場合は場所とピアノはそもそも持っているので
いただいたレッスン代がそのまま自分のものになります。

 

ちなみに、専門学校や音楽教室でのレッスンは、
レッスンの生徒を集めることはできますが組織側に半分くらいは持っていかれるので私としてはめちゃくちゃキツかった!

あと、組織に属していると通勤や人間関係でストレスが溜まることも多くなります。

【レッスンのお金について】

仮に、生徒さんが1時間のレッスン代に1万円払うとしたら、

✔︎音大や音楽学校、音楽教室の契約社員として組織に入って働くと時給1,700円〜3,000円
✔︎フリーランスで自宅レッスンだと時給10,000円

自分で生徒を集められるならフリーランスの方が良い。 

 

「どうしても今すぐお金が欲しい」という人はバイトや日雇い派遣で働く選択肢はあります。

私も大学院を卒業してからは高い家賃を稼ぐためにそうしていました。
でも、自分の人生における有限の時間を考えて戦略的にやるべきです。

残されている時間は無限じゃないのです。

自分のスキルアップや将来のために時間とお金を使うことを忘れないでください。

 

私の体験談(ストック型の労働)

これはこのブログやYouTube、Twitterなどがそうです。

やればやるだけ資産になりますが、即金性はほぼないし、
「これくらいの期間やったらこれくらいお金が稼げる」などの目安も全くありません。

しかし、他人に何かしらの価値を与えることになるので、
「信頼」という、生きていく上で重要なものを得ることができます。

 

演奏家としてやっていきたいなら、
ネットでも価値を提供していくことで確実に生きやすくなります。

特にフリーランスの人はストック型の労働を意識してみてください。

挫折してもいいんです。なぜなら、その経験は絶対に役に立つから。

練習している時間をお金に替える

ストック型の労働をすると練習自体をコンテンツにすることでお金を得ることもできます。

例えば、YouTubeやSHOWROOMで練習をそのまま生放送で配信してお金をいただくことができます。
投げ銭というシステムです。

 

もしくは、生放送じゃなくても練習を動画で撮影しておいてYouTubeに投稿する、という形でもあとで広告収入という形でお金を得ることができます。

10年前は、こんなお金の稼ぎ方はなかった。

 

世の中にあるものを賢く正しく利用すれば本当に生きやすくなるので、
今までの古い価値観に踊らされずに柔らかい頭で考えて探してみてください。

あなたの生き方や働き方のヒントになることがたくさん見つかるはずです。

【解決例 3 】大学にいる内から横の繋がりを作っておく

音大にいる時から音楽仲間たちと一緒に室内楽をやっていた人は、
卒業した後も音楽仲間の繋がりで仕事を得ることができます。

人間関係が本当に大切です。

私も大学を卒業してから室内楽の仕事をくれる仲間たちのおかげで演奏家として生活することができました。

昔は先輩や先生との関係を最重要にしないと仕事がもらえないということがありましたが、今はそれだけが全てではありません。

もちろん、オーケストラの楽器の場合、オケのエキストラやレコーディングの仕事をもらうために先輩との縦の繋がりは重要ですが、
今の時代は “縦の繋がり” だけではなく、”横の繋がり” で仕事をしていくことも以前より簡単になりました。

気心知れた仲間たちと演奏会を企画するのも、私が在学中の時と比べると急増しました。

 

みなさん、信じられますか?

10年前は、
『自主企画でリサイタルをする』とか

『音大に入ったばかりの仲間同士で演奏会を企画する』などしづらい空気が流れていた。

周りのみんなが「コンクール入賞などの実績がないとそういうことはやってはいけない!」みたいな暗黙の呪いにかかっていたんですよ!

『実績がないのにコンサートなんて開いて恥ずかしくないのかしら?』みたいな腐った考え方の老害ばかりが存在していたのです。

そんな閉鎖的な酷い時代は過ぎ去りました!

どんどんチャレンジしてたくさん失敗してその経験をプラスに変えていきましょう!

まとめ:自分で考えて行動しよう

今の時点で演奏とレッスンで稼げている人も、果たして死ぬまでその仕事ができるか考えてみてください。

その仕事が無くなっても生きていけるか。

私は現時点ではありがたいことに演奏とレッスンで稼げていますが、例えば怪我でピアノが弾けなくなったら演奏の仕事ができなくなります。

そうなっても生きていけるように今のうちに他の方法で稼げるように行動しておくことは大切だと思っています。

 

とにかく、現状を客観的に把握して、自分で考えて行動することが重要です!

上に書いた『リサイタルの回数を増やす』ということに関しても、
回数だけではなく、チケット代や会場の見直しなど、工夫できることはたくさんありますよね。

世界はどんどん変わっていきます。
もしかしたら3年後にはこの記事で書いたことが「もうあの考え方は古いよねー」と言われているかもしれません。

私もやるべきことをやりつつ、上の景色が見えるようにさらに努力していきます!