こんにちは、しもんです!
昨日の『シラフでシフラを語る会』でたくさん質問をいただきました。
少ししか答えられなかったのですが、
「ピアノによって演奏が変わってしまう事ってありますか」
と質問をいただいたので、対談中に答えたことに補足します。
楽器や会場によってピアノの表現は変わるのか
昨日の対談はこちらです。
結論から言うと、演奏は変わります。
しかし、ジャンルによって変わり方が違うとも思います。
私はクラシックのピアニストなので、クラシックのお話をします。
具体的にどう変わるのか
【すこし補足】
今日の対談で「ピアノによって演奏は変わるのか」という質問をいただいたのですが、楽器とホールの響き方によって演奏は変わります。
例えば、
残響の多いホールだと、音の洪水にならないように耳で響きを聴いてその場でテンポやタッチを調整します😊
全ては耳で判断します。— 佐野 主聞 / ピアニスト×ブログ×YouTube (@Shimon_Sano) September 6, 2020
【すこし補足】
今日の対談で「ピアノによって演奏は変わるのか」という質問をいただいたのですが、楽器とホールの響き方によって演奏は変わります。
例えば、
残響の多いホールだと、音の洪水にならないように耳で響きを聴いてその場でテンポやタッチを調整します😊
全ては耳で判断します。
ストリートピアノがわかりやすいと思いますが、
・ピアノの状態はどうか(ガッタガタになっているピアノが多く、音色のコントロールが難しい)
・周りにどれくらい雑音があるか(ガヤガヤ感が多いか少ないか)
これによってかなり演奏は変わります。
ピアノがガタガタで周りもガヤガヤしている場合は相当パフォーマンス的に(視覚的に)弾く必要性も出てきます。
しかも、音色で表現できたとしても聴いている人には伝わらないことも多いので、音量で表現する必要も出てきます。
基本的に、クラシック音楽を音量だけで表現すると音楽が歪む
クラシックにおいて音量のみで表現してしまうとクラシック音楽が歪みます。
『ピアノを弾く』というのは、
『リズム・メロディー・ハーモニー』を表現するために、
・頭で理想の音のイメージを鳴らして
・体で実際に弾いて表現して
・耳でその音を聴く
という手順を3つ同時にやっていく作業です。
理想の音を頭で鳴らしてから弾くとちゃんと音色がピアノに表れます。
『音量だけで表された音楽』というのは音色が伴っていないので、聴いている人に届く音楽的説得力が少ないです。
音色があって初めて音量が変わるのです。
音量が変わるだけでは音色の変化を聞かせることはできません。
なぜなら弾いている本人がその変化を内面から感じていないからです。
時と場合によっては音量で表現する必要もある
クラシックにおいて音色が先にくるのは必須なのですが、ストリートピアノを弾くときなど時と場合によっては音量で表現する必要性が出てきます。
そのため私個人としては、
ガヤガヤしている場所ではあまりクラシックを弾かないようにしています。
あまりにパフォーマンス寄りになってしまうクラシックを弾くと私自身が納得感を得られず楽しくないからです。
※そのため、クラシックのピアニストはストリートピアノを弾くことを嫌がる人が大半です。
ホールによってもピアノによっても演奏は変わる
クラシックは基本的にサロンやホールで演奏会が行われます。
その時に、ピアノの響き(楽器と会場とお客さんの入りに影響される)が変わったら、当然演奏も変わります。
ピアノの残響が多いとその分空間に音が残ってしまうので残響に合わせてその場で弾き方を変えます。
『弾き方を変える』というのは、意識的に変えるというよりも『耳を使っていたら自然に変わる』くらいのものです。
でもこれは、
普段の練習から耳を使って『空間と時間への感覚』を研ぎ澄ませていて初めてできることです。
もし耳を鍛えたい人は、
普段から自分の音が時間と空間を通してどうやって伝わっているかを意識して練習しましょう!