皆さんは、他の先生がどんなレッスンをしているのか気になりませんか?
公開レッスンなどを聴講すると、面白い言い回しや自分にはなかった表現と出会えて面白いですよね!
私は私以外の先生に習っている生徒さんからSNSのメッセージやLINEなどで「今習っている先生にこんなレッスンをされて悩んでいる」という相談にも乗っているので、
今日は私のレッスンの仕方と、生徒と信頼関係を築くためのレッスン方法を書きます。
結論としては、
・肯定の言い方で伝える。事実をそのまま伝える。
・先生は楽譜に書かれたものの音楽的な意味を言語化して演奏できれば、生徒からの信頼を得ることができる
・もしそれができなくても生徒と一緒に考えて音楽を楽しむ姿勢を見せる
・人生死ぬまで学びなので勉強し続けることが重要!
私がレッスンをする時に気をつけていること
今日この記事を書こうと思ったのは、この投稿に反響があったからです。
https://twitter.com/Shimon_Sano/status/1142293090817888257
やはり他の人がどんなレッスンをしているのかって気になりますよね。
伝え方は基本的には肯定文で!
これは私が大学生の頃に子供のための教育の本を読んで知ったことなのですが、
「これをしちゃダメ!」という感じで否定する言い方をしてしまうと、
子供は束縛を感じて自分らしさが出せなくなり結果的に他人の言うことを聞くだけの優等生的なつまらない人間になってしまいます。
これは親や先生がそういう教育をしてきたせいです。
子供は、親や先生の言いなりになる機械や奴隷ではありません。
子供とは絶対に対等に接してください。
子供は他人です。
他人に対して上から目線で命令しますか?しないですよね。
ピアノのレッスン中も肯定の言い方で伝えることができると、子供は自分で行動を選択できる人間に育ちます。
実践例
ピアノのレッスンでよくあるアドバイスとして
「急がない!」みたいに、否定形で注意をすることがありますよね。
他にも「大きくしない!」とか「音を長くしない!」など。
この時は、肯定の言い方で伝えたり、楽譜に書いてある音楽的な事実をそのまま伝えるのが有効です。
例えば、
急がない→落ち着いて
大きくしない、長くしない→楽譜に書かれている音楽的な意味を、言葉と演奏で説明するだけで良い。
私なら、実際に演奏してみせながら
「ここに書かれている音の意味はこうだから、こうやって表現したほうが音楽として説得力があるよ」みたいに言い方で伝えます。
それでも生徒さんが納得行かない場合は『生徒さんがそうしたい理由』を興味津々に聞いてみてください。
そこから打開策が生まれるはず。とにかく否定せずに生徒の気持ちを聴く。
生徒さんが意思を持ってそういう表現をどうしてもしたいって場合は無理に直す必要は全くないのですが、
そういう場合は大抵、
生徒さんは「楽譜に書かれている通り音楽的に弾くことでどれだけ人を感動させられるか」とか「楽譜通り弾く音楽的なメリット」を知らない場合が多いです。
なので、楽譜通り音楽的に弾くということを先生が実際に聴かせる必要性があります。
これはかなりの高等テクニックというか、
高い技術力と音楽的な知識と生徒の反応を正しく理解する能力が必要になってきます。
音楽的な意味を言葉で説明できない先生はマジで勉強しましょう
これに関しては私のブログ記事やYouTube動画でも説明しています。
(YouTube動画の方はこれから『動画レッスンシリーズ』も始まるので、曲を実際に使って楽譜の読み方を解説します)
正直な私の考えを話しますが、
世の中にいる先生は楽譜に書かれている音の意味を言語化できない先生がほとんどだと思います。
「言語化だけならできる。」
「弾いて示すことだけならできる。」
どちらか1つでは足りません。
「音楽的な意味」というのは、音の長さとか音の強弱という表面的なものではなく、
そのさらに奥にある音楽として表現するための根本の理由をのことです。
生徒が先生に対して不信感を抱く理由2つ
生徒を尊重して対等に接するのは基本中の基本ですが、
生徒を対等に思っていない先生はまずその視点を持ってください。
全てはそこからです。
そして、生徒が先生に対して不信感を抱く理由は2つあると思います。
上の項でも書いた通りですが、
①先生が楽譜に書いてあることの音楽的な意味を言葉で説明できない
②言葉では良さげなことを言っていても実際に演奏で示せない
生徒の立場で考えてみてください。
こんな先生を生徒が尊敬できるはずはありません。
例えば、
先生「ここはこうやって弾きなさい」
生徒「どうしてですか?」
先生「とにかくそうするの!黙って弾きなさい!」
とか、
先生「ここは、リズムとメロディーとハーモニーを感じると楽譜通り弾かないとダメなのよ」
生徒「(複雑すぎて理解できないのでとりあえず楽譜に書かれた表面上のことを守って弾く)」
先生「そう、それでいいの。(演奏で示せないので直すこともできない)」
生徒「(理解できていないので何が良いのかわからない。)」
上記の2つの例のようなレッスンをすると、
次第に生徒の自発性を削いでしまい続ければ続けるほど機械のような人間が出来上がります。
解決方法
もし楽譜に書いてあることを言語化して説明できない場合は、とにかく勉強してください。
そして、練習してください。
先生が自分で練習して実践する努力を怠っていると、生徒に伝わるものも伝わりません。
ですが、
言語化できない場合も演奏で示せない場合も、
生徒と共に考えて、どうしたら良いか一緒に試行錯誤するという姿勢を見せることで
「音楽をする時間は楽しい」と生徒さんに思ってもらうことは可能だと思います。
私が実際にどうやってレッスンしているか
これは私のYouTube動画やSHOWROOMでの生放送を見ていただければわかっていただけると思いますが、
生徒に演奏でお手本を示す時は、
自分が実際に練習している時と同じように弾きながら、その時に考えていること・感じていることを言語化して説明します。
そして、もし最初の演奏でうまく示せなかった場合は
「今のはもっとこうしたい」とか言って弾き直してどんどん良い音や音楽にしていきます。
その姿勢を見せることがとても重要だと思っています。
なぜなら、生徒は私がその場で上手くなっていく姿を見られるので
「あ!こうやって練習するんだ!」ということが耳で掴めるからです。
まとめ
この記事に書かれたことをもう一度まとめると、
・肯定の言い方で伝える。事実をそのまま伝える。
・先生は楽譜に書かれたものの音楽的な意味を言語化して演奏できれば、生徒からの信頼を得ることができる
・もしそれができなくても生徒と一緒に考えて音楽を楽しむ姿勢を見せる
・人生死ぬまで学びなので勉強し続けることが重要!
大まかに説明すると以上です。
他の先生の生徒さんたちの悩みとしては、
・「なぜこうなんですか?」と聞けない空気になってしまっている(先生が説明できないとわかっているので聞きにくい)
・全然ピアノを弾いてくれないのでしっかりと理解できてる気がしない
この2点は本当に良く相談されます。
先生たちは生徒に期待されています。
仕事としてレッスンをしているなら、どうか生徒のその期待に応えられるように勉強と実践を続けてください!