全ての音には、リズムとメロディーとハーモニーの3つの要素が含まれていて、
どの要素をどのくらいの割合で入れるかによって音の性格が決まっていきます。
ピアノにおいては、どれかが0%もしくは100%というのはありえません(現代奏法を除く)。
感じ方によって、リズムとしての性格が強いのか、メロディーとしての性格が強いのか、ハーモニーとしての性格が強いのかが決まります。
今日はハーモニーの感じ方についてですが、
これは日本人が特に苦手なことだと思います。(個人的統計による。笑)
今日は私がハーモニーを感じようとする時に使う練習法を一つ紹介します。
例えばこの曲(スクリャービン:24のプレリュード 第13番 変ト長調)の場合、
左手の一拍目にあるべき変ト長調の主音のソ♭が書かれていません。
ですが、書かれていなくても右手を弾く前に変ト長調のハーモニーの中に自分がいることを感じて弾きます。それは本来あるべき音だからです。
そして、本来あるべき音がない場合、それによってどんな違いが生じるかを考えることで自然と歌い方や感じ方が見えてきます。
この八分休符は本当に大事。
私は休符や音の間に命があることを強く感じます。
さてハーモニーの感じ方ですが、
バスにソ♭があると仮定してハーモニーを頭の中で感じてから右手の一拍目にある2分音符を弾き始めます。
そして左手の「ド・レ♭・ファ・ソ♭・ミ♭ 」一つ一つの音に対して、右手の「シ♭・ソ♭・シ♭」がハモっていることを感じて弾きます。
左手の一つの音を弾いた後にすぐ次の音を弾かず、
右手の音の響きと左手の音のハモリを耳で捉えてから次の音に移り、次の音でも右手の音とのハモリを確認していく作業。
必然的にだいぶゆっくり弾くことになります。
ただ、
この部分は左右の音域が近いこともあり
音のキャラクターがかぶってぼやけてしまう可能性があるので、
右手の2分音符が持つエネルギーと 左手の8分音符が持つエネルギーが
ハーモニーとしては融合するけど、メロディーとしては独立していないといけません。
同じように、左右がメロディーとして独立していたとしても、もう一方の手がやっていることを考えないで弾くとハーモニーとしての魅力が少なくなるので、
耳で注意深く聴きながらバランスを作っていきます。
そうすると、耳も頭も慣れてきて自然とメロディーを聴き分けながら(歌い分けながら)ハーモニーとしては融合できる脳の回路が作られます。
そんな感じで私は練習しております。
今日書いたことは練習における考え方のほんの一部で、
もっと複雑に色々なことが絡み合ってきます。
…ちょっと文字で伝えるのは無理がありましたね。笑
もっとわかりやすい文章での伝え方があったらまた書きます!
複雑なことをやらなければならないのは確かですが、
どんな練習でも
とにかく一つ一つ細部まで耳を使って聴く!
というなことに尽きると思います。
単純明快。
でも言うのは簡単だけどやるのが難しい!
お互い頑張りましょう!