先日こういうツイートをしました。
https://twitter.com/Shimon_Sano/status/1136955044358529025
言葉選びが難しいのですが、
世の中には、
「基音で弾くピアニスト」と「基音を喜ぶ聴衆」があまりにも沢山いて、
「耳を使って倍音を鳴らせるピアニスト」と「それを感じることのできる聴衆」はあまりにも少ない。
自分ができることは演奏や音の感じ方を発信していくことだ、と改めて思った。
これを言い換えると、
「音量だけで表現する演奏」
と
「音色で表現した結果、自然と音量が変わる演奏」
とも言えます。
「音量を変える=音色が変わる」ではありません。
順番としては、
【感情→音色→音量】
になります。
クラシックにおいて「倍音を聴いて鳴らせる」、というのはとても大切なポイントです。
今日は基音と倍音の違いについて書きます。
基音と倍音とは
詳しい説明はネットにいくらでも転がってるので調べていただくとして、
すごく簡単に説明すると
基音は弾いた音そのもの、
倍音は弾いた音の上でハモって聞こえてくる音
です。
耳を開いて音色を聴く
上の記事でも書いたように、
耳を開いて音を聴いていくと、
空間が広がったような印象を受けます。
「側(そば)で鳴っている音」ではなく、「広い空間の中に満ちている音」です。
クラシックにおける良い音、というのは
響きの核(芯)があって、音色でコーティングされた音(音の響きが四方八方に散らばったり、割れたりしていない音)だと個人的には思っています。
響きが散らばったり割れている音というのは、音の芯を潰してしまっているので不快に聞こえてきます。
音色があって初めて、音量を表すことができる
クラシックにおいて、音量が先に聞こえてくる演奏は良くない演奏です。
音色があって、その結果自然と音量が表現される。
これが正しい順序。
世の中には「音量を変えることが音色が変わることだ」と勘違いしている人たちがいますが、クラシックにおいてはそれは間違いです。
気持ちを表現しようとすると、
まず音色が変わります。
その結果、音量は自然とついてくるものなのです。
音色を変えるためには
音色を感じられるようになるには、
耳を開いて倍音を聴くことが必要なのですが、
おそらくこの説明だと小難しいと思うのでもっと簡単に言い換えると、
ハモった音のバランスを聴く
これが大切です。
じゃあハモった音ってどうやって聴くの?
というと、ペダルで伸ばしてそのハーモニーを聴き続けてみてください。
そうすると勝手にハモってきます。
そのハモったバランスの音で弾く、これだけです。
バランスの聴き方を説明した動画もあるのでこちらをどうぞ!
まとめ
ここから更に、シャープの音やフラットの音の響きの違いとか色々と出てくるのですが、
まずは自分の感性に従って自分の音を聴き続けてみてください。
すぐには効果が出ないかもしれませんが、段々と耳の感覚が変わってくるはずです。