ピアノ練習法

身体の声を聴く。その5

皆様、
“イメージトレーニング” はしていますか?
 
自分の頭の中で音楽を鳴らしてそれを感じたり、
実際に弾いているイメージや、会場の響きを想定して音楽を聴衆として聴いているイメージ等、
 
自分が想像できる最大限
映像や、音の響きを感じる。
 
…というイメトレは私も昔からやっていたのですが、
その時に身体がどういう状態になっているかということには無頓着でした。
 
弾くときの身体の使い方をイメージした時に身体が力んでいても「こういうもんかな」くらいに思っていたのです。
 

実際に体験したエピソード

 
数年前、スペインでコンクールを受けた際に練習するピアノもなかったのでユースホステル(12人部屋。笑)のロビーでイメトレをしていました。
 
その時ふと、
「あれ…今イメージしてたフレーズで身体固まってるな。力んでるな。」と思って、それについて理由を考えてみると、
普段の練習から身体を固くして弾いてしまっている箇所が、まさにその箇所と重なることに気づきました。
 
そこで、音楽の感じ方はそのままに身体の力みだけとっていくイメージを、自分のイメトレに加えました。
 
そうしたら実際にピアノで練習する時に
身体が固くなっていればすぐ気付くことができたし、
直すのも難しくありませんでした。
 
 
ということは
 
“ピアノを弾く練習” だけが “練習” ではないということです。
 
私は1日10時間くらい練習する時でも、3,4時間は自分の音をイメージする時間(弾かずに休む時間)に使っていると思います。
 
 
イメトレをすると、
神経細胞の働きが活発になり実際にピアノを弾く時と同様とまではいかなくても、神経細胞の働きが向上することが報告されています。
(古屋晋一『ピアニストの脳を科学する』p22〜参照)
 
『ピアニストの脳を科学する』に出てきたのは、単に身体の動きをイメージするときについてだけなので、
これが会場の雰囲気や音の響きまでイメージしたら更に神経細胞は活発化するはずです。
 
私は上に書いたようなイメトレで身体がどういう状態か確認するようにしています。
 
 
ただ、仕事や本番が沢山ありすぎて、とにかく弾けるようになることを優先しないといけない時って身体のことを無視しがちですよね…!!
 
 
私は自分の身体の限界を超えてしまったことで周囲に多大なるご迷惑をおかけしたことが2度もあるので、身体がどういう状態であるかということに非常に敏感になりました。
皆様には、どうかそんな経験をする前から身体のことを考えてほしいな、と願っております。
 
5日間読んでくださりありがとうございました!