今日もダン・アリエリー:予想どおりに不合理 〜行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」〜
から引用と感想を書きます!
現代社会に生きていると、選択肢が多すぎてどれを選んだら良いかわからないから、
とりあえず全部手をつけてみる…そのため大切な何かを失う…ということありませんか?
“例えば、
子どもの習い事の場合、子どもに様々な活動を少しずつでも経験させようとするあまり、
子どもと自分の時間を、そして子どもがひとつのことに本当に秀でる機会を、手放している。
私たちは「重要かもしれないこと」の間を行ったり来たりしているうちに本当に重要なことに十分時間を割くことを忘れてしまう”(p. 264 – 265)
・実験(扉ゲーム)
→パソコン上に3つの扉を用意する。1クリックするとひとつの扉に入ることができる。その部屋の中でまたクリックすると、ランダムでお金がもらえる(クリックできる回数は100回まで)。
他の扉でも同じようにランダムでお金がもらえる。
合理的に考えると、ひとつの部屋に入ってずっとクリックし続けるのが一番お金を稼げるが、実験協力者たちは3つの扉を確認した後もなお、何回も3つの扉を行き来してクリックを無駄に消費した。
・実験(消える扉)
→今度は12回クリックされないと消えてしまう扉に変更。
合理的に考えると、消える扉を放っておいてどれかひとつの部屋でクリックし続けるのが一番稼げるはずだが、今回も実験協力者たちは消える扉を失いたくないがために何回も行き来した。
・実験(消える扉 〜罰金バージョン〜)
新しい扉をクリックすると罰金が課せられるように設定しても、実験協力者たちは扉を消さないように新しい扉から新しい扉に動き回って無駄なクリックとお金を消費した。
・結果
→人は失うと思うだけで耐えられず、選択の扉が閉じるのを防ぐためにできることならなんでもする。(〜p.275)
“人生においても、無理に色々なことに手を広げすぎてはいないだろうか。
あまりにも価値のない扉を開けておくことで無駄にしている時間やお金が沢山あるかもしれない。
中には本当に消えかけている扉があり、すぐに注意を向けなければならないのに、わたしたちがそれに気づかないことがある。
例えば、息子や娘の子ども時代がいつのまにか過ぎてしまうことに気づかずに、職場で必要以上に働くなど。
こうした扉は閉まるのがあまりにゆっくりで消えていくところが目に入らないことがある。”(p.276 – 277)
その扉を開けておくことが本当に必要か、
本当に必要な扉からエネルギーと献心を吸い取ってしまう扉ではないかを考えて、
いくつかの扉を意図的に閉じることも大切。
・2つの選択肢
どちらも魅力があって決められない場合。
例えば、
カメラを買おうと思って2つのカメラで迷っているときに、
迷って何週間も経ってしまったらその間に撮れるはずだった写真が撮れない方が遥かに大きい損失。
決断を下すことは難しいが、決められない時間で失うものの方がはるかに大きい。
(p.279 – 282)
わーかーるーーーー!!
自分にとって本当に大切な扉がどれなのか、無駄な扉を開けっ放しにしていないか(人間関係でよくありそう)、
私は最近、自分が自分であるために絶対に必要なものや時間を書き出してみたのですが、
そんなに多くなかった。
「自分の成長のため」と思うとやりたいことなんて無限に出てくるけど、
「自分という人間であるため」にやるべきことって限られてくる。
逆に忙しくすることで(忙しいフリをすることで)その大切なことをやらないと、
自分が自分でなくなってくる気がする。
扉を閉じる勇気が必要になってくる時はきっとくるのだろう。