昨日は室蘭のエルム楽器さんで特別レッスンでした。
そこで思ったことがあります。
今日のコンクールに向けての特別レッスンでも思ったのですが、
子供たちって、
「音楽を感じていることを自分で認識できていない状態」であることが多いと思う。自分が音楽(リズム・メロディー・ハーモニー)を感じられることを自分自身で具体的に認識できると一気にレベルアップするはず。
— 佐野 主聞 , (@Shimon_Sano) 2019年7月6日
今日のコンクールに向けての特別レッスンでも思ったのですが、
子供たちって、
「音楽を感じていることを自分で認識できていない状態」であることが多いと思う。
自分が音楽(リズム・メロディー・ハーモニー)を感じられることを自分自身で具体的に認識できると一気にレベルアップするはず。
今日は私の経験を交えて、ピアノにおける成長について書きます。
ピアノで一気にレベルアップする方法
ピアノでレベルアップするのは年齢は関係ないのですが、
特に子供の場合は好きでピアノを弾いていて、
聴いている側は感動しているけど、子供達はそれを理解していないパターンが多い印象があります。
昨日の特別レッスンでもそうでした。
音楽を作る3つの要素を感じているか
音楽は、リズム・メロディー・ハーモニーという3つの要素で成り立っていますが、
これをどれだけ深く感じることができるか、が重要です。
そして、この深さは無限です。
いくらでも音楽をより深く感じていくことができます。
ただ、子供たちの場合「自分が音楽を感じている」ことを認識せずに自然と音楽を感じていることが多いんですよね。
それはそれで素晴らしいことなのですが、
もし自分で認識できたら聴いている人がそれに感動していることも感じることができるようになって、
「ピアノを弾くこと」=「聴いているに何かを伝えること」「聴いている人との感情を共有すること」
になっていきます。
子供たちが自分で認識できるようになるためには
これは私の経験上、2つ方法があります。
・普段のレッスンにおいて、生徒さんの演奏が音楽的だった場合、先生が生徒に対して音楽的に弾けた根本の理由を説明して褒める。
・生徒さん自身がピアノの本番などで直接聴いている人の心を感じる体験をする
先生がレッスンで生徒に伝えるべきこと
先生が生徒にレッスンを通して伝えることってたくさんありすぎて本当に大変ですよね。
楽譜の読み方・弾き方など、初級の段階から教えていくとなかなか骨が折れると思いますが、
譜読みの段階から楽譜に書かれていることの根本的で音楽的な意味を教えていくことは可能です。
教え方は人それぞれですが、
定期的にレッスンできるのなら毎回のように
ピアノを自分の歌のように表現するために実際に歌ってみることが大事であることを伝えて、
リズム
→音が長い方が息をたくさん吸う必要があるのでエネルギーがかかる。音の数が多いとその分エネルギーも増す。
メロディー
→音が上がるとエネルギーが増す。下がると収まる。音程(音の幅)によってエネルギーが変わる。例えば、ド→レ と ド→ラ では渡すエネルギーも歌うときにかかる時間も変わる。
ハーモニー
→緊張感のあるハーモニーと安心感のあるハーモニー、テンションの違いがある。そして、それぞれのハーモニーにどんな色を感じるか実際に音を鳴らしてペダルで伸ばしてずっと耳で聴いてみることによって自分なりの感じ方を養う。
というのを徹底して伝える、または生徒さんと一緒に考えると、
生徒さんは「今、楽譜に書かれていることと比べて自分の演奏は音楽的だったかどうか」を自分で考えることができるようになります。
演奏の本番で聴いている人の感動を感じる
レッスンで音楽を感じることができるようになると、
聴いている人にもその感動は伝わるようになりますが、
演奏者がその感動を感じるためには耳の使い方をとても大切です。
会場の一番後ろに自分がいる感覚で耳を使うと会場の空間と時間を感じられるようになります。
普段のレッスンからこの耳の使い方をしていれば、
本番でもその耳の使い方ができる可能性が高まりますよね。
そうすると、生徒さんは自分の音楽が空間と時間を通して聴いている人に伝わって感動を共有していることに気づけるようになります。
この感覚がわかると一気にレベルアップします。
答えは耳にある
上記のように、最終的に大事なのは耳です。
なぜなら、音楽(ピアノ演奏)において聴いている人の反応を感じるのは耳だからです。
ピアノは基本的にお客さんからみると横を向いて弾くことになるので、
視覚的にお客さんの感動を知覚するのは少し難しい楽器です。
演奏中にお客さんの笑顔とかを見ることができるような楽器ならまた話は別ですが、基本的にはやはり耳が大切。
耳を使って自分の音を認識して、空間と時間を通じて聴いている人と感動を共有できるようになると一気にレベルアップします。
私も昔は自分ではあまり理解できてなかったけど、
14歳のときに演奏の本番で聴いている人たちと感動を共有した経験があったときに、
一気に自分のレベルが上がった気がします。
その前の段階で、レッスンでは先生が生徒を音楽的に認めて褒めるようなレッスンができると最高ですよね!
そのためには先生も音楽のことを深く知っておくことで、
生徒を引き上げることもできるし、一緒に音楽のことを考えていくこともできます。
昨日の特別レッスンでは、
去年と比べて生徒の音楽的レベルが高くなっていたのを感じたのですが、それはつまり先生方も成長しているんだなぁと思ったので、私もとても良い刺激をいただきました!