意見

【ピアノは友達】私は、ピアノをいたぶって自分の欲求を満たす演奏が嫌いだ。

こんにちは、しもんです!

先日ストリートピアノの動画を観て感じたことがあります。

今日は誰かを否定したいわけじゃなく、純粋に自分の好き嫌いの話をします。

ピアノは生きている

もう一度Twitterの文章を書きます。

とあるストリートピアノの演奏動画を観た。

ガチャ弾きでぶっ叩かれて弾いてて、ピアノが「痛いよ!助けて!」と悲鳴をあげてた。

私も心が痛くなった。

ストリートピアノは、
場所によっては『音色』よりも『音量』が優先されるけど、

その光景を見た私は「ピアノがイジメられてる…」と感じた。

この文章を書いている私はプロのクラシックのピアニストとして活動していますが、

私自身ストリートピアノを弾きに行きますし、『その場所で生まれる音楽』の素晴らしさも知っています。

ただ、あまりにも鍵盤をぶっ叩いて弾いているピアニストたちの動画がTwitterに流れてきてピアノが可哀想に感じました。

Twitterでは「ピアノがイジメられている」という優しい表現を使ったが、
本当は「ピアノが強姦魔にいたぶられて犯されている」と感じた。

あまりにも凄惨な光景。

そんなにピアノを嬲らないと自分の欲求を満たせないのか。

単純にうるさかったし、ピアノを道具として利用しているだけの演奏。

ピアノは生き物だ。ピアノだって生きているのに…。

ピアノの鍵盤をぶっ叩くことでピアノの呼吸を止めて殺していた。

殺人ならぬ、殺ピ。

しかし、楽器も調律師さんもすごい

ぶっ叩かれて弾かれたピアノはどんどん衰えていく。

寿命が短くなるというか、音が死んでいく。
音が枯れていく。

それを蘇らせたり寿命を少し長くするのは調律師さんの調整があるから。

彼らがいないとピアノは長生きできない。

そして、楽器自身のポテンシャルもすごいですよね。
どんなにいたぶられても、嬲られても、それを受け止める包容力のあるピアノ。

それでも楽器は衰える

しかし、どんなピアノでもあんな弾かれ方をずっと続けられたら生気が失われていく。

ちゃんと耳を使えるピアニストが良い音を出そうとしても、その表現ができないピアノになっていく。

なぜかと言うと、
音量のみの表現でぶっ叩かれ続けたことによって音色で表現するための艶がなくなってしまうからだ。

人間が呼吸できなかったら死ぬのと同じように、ピアノの音に呼吸してもらわないとピアノの音は死ぬ。

どうやって弾いたら良いか

クラシックの弾き方を強制はしない。

そんなことしても誰のためにもならない。
でももし、

「ガチャ弾きは嫌いだけど、どうやったら良い響きで弾けるのかわからない」

という方は私のブログ記事やYouTubeの動画を見て欲しい。
答えとヒントがたくさん載っています。

例えばこれ。

鍵盤をタッチする時は打鍵する瞬間だけじゃなく、

鍵盤から指が離れる瞬間(離鍵のとき)はもちろんのこと、
次の音に行くまで響きを耳で捉えて初めて、
音は呼吸できる。

やり方はYouTubeでも説明しています。

ストリートピアノの効果

ストリートピアノでは別にどんな弾き方をしても良いし、大半がアマチュアなのでクラシックを弾くとしてもどんな弾き方をしてもいい。

自由に弾いてもらうのがストリートピアノの宿命だから。

そして、ストリートピアノのおかげでピアノを始める人が増えている。
これは効果としては、素晴らしいものだと思う。

ピアニストYouTuberがストリートピアノの動画を投稿することで動画も観てもらえるのでYouTuberにとっても嬉しい効果がある。

まとめ:犠牲になっているのはあのピアノだけ

・企業は自社の商品を売るためのマーケティングとしてストリートピアノを利用する。

・個人はピアノを弾くためにストリートピアノを利用する。

みんな喜んでいるように見える。

だけど、ピアノはどうだろうか…。

 

 

私がもしあのピアノだったら、毎夜、咽び泣いていることだろう。