ピアノをやったことある人なら、
もしかしたらこいつが原因でピアノ嫌いになったかもしれない。
デデンっ!
シャルル=ルイ・アノン(ハノン)先輩。
ピアノをやっていく上で、ハノンとかツェルニーなどが必要か、そうじゃないかと聞かれたら、
「ある程度は必要で為になるけど、正しく使わないと害になる」
と答えると思う。
ハノンやツェルニーという教材を使って「音楽」を教えることができる先生は
少ないな、と感じています。
ハノンの使い方・弾き方
さて!
先ほど、「ある程度は必要」と言った理由をお話しします。
ピアノを弾くと、ピアノを弾くための脳細胞・脳の回路が増える(もしくは情報伝達のスピードが上がる)のですが、
そうなるためには、ある程度の量をこなさないといけません。
しかし、量だけではなく、質が重要になってくるわけです。
因みに、
ほとんどの先生は
「指が強くなるように」「指が速く動くように」
と思ってこの教材を使うと思いますが、
そこに音楽が無かったら音楽じゃない。
「何当たり前のこと言ってるんだ」と思うかもしれせんが、
ほとんどの先生が、生徒に「音楽」を教えられないから
生徒はハノンやツェルニーを弾いてピアノが嫌いになるんです…。
ハノンは、ほとんどが単調なユニゾンの繰り返しであることに加えて、
このリズム練習!!
これをやって楽しい人は良いけど
楽しくない人にとっては苦痛でしかないですよね。笑
このハノンを
「音楽的に教える。」
「クラシックに必要なタッチを教える。」
ためには、自然な楽譜の読み方に則して弾いた上で、
・音と音の間でどうエネルギーが伝わっているか
・音の響の芯を掴む・核に触れるタイミングが左右で合っているか
・無駄な動きや力を使わずに音だけで表せるか
・身体がどう反応して、どんな音が出たか
ということにリラックスした状態で意識を集中させたら、指を動かす練習以上のことができます。
更に、
・ユニゾンの時に、右手・左手の音の芯に触れるタイミングは変えずに、音色(イメージする楽器)を変えてみる
・同音連打の時の色の違い、エネルギーの方向性を感じる
例:音階の終止形の時の、同音連打の音色が変わることを感じる
など、
この本を音楽的に扱う方法はいくらでもあると思います!
思いますが…しかし!!
『バッハ:インベンションとシンフォニア』
『ブルグミュラー:25の練習曲』
『ギロック:抒情小曲集』
ここらへんを弾いてもらう方が何千倍も良い。
これらに加えて、ソナチネとか小規模なソナタなどを勉強すれば、
はっきり言って、もうどんな曲でも音楽的に弾けます。笑
小さい頃、インベンション大好きだったなぁ〜!
パイプオルガンの音色を出したくて、パイプオルガンの曲を聴きまくって自分の中で音色のイメージを膨らませてました。
中学生になった時に、小さな頃弾いたインベンションをカセットテープで聴いたとき、驚くほどオルガンの音色になってたので驚いた記憶があります。
良い音楽をピアノで奏でたくてハノンやツェルニーを練習しているけど、
音楽の為になってるとあまり感じないのは、音楽的に指の練習をしていないからです。
ただただ指が動くだけの機械のような演奏をしたいなら音楽的に練習しなくても良いですが。
まとめ
もう一度言いますが、
ピアニストになるための脳の回路を作るためにはハノンやツェルニーはある程度有効です。
しかし、音楽的に弾くことで
もっと素晴らしい音楽家・芸術家になれる可能性が高くなるし、
生徒がピアノを嫌いになる可能性は少なくなる。
と、私は信じています。
※
「ユニゾンの時に、右手・左手の音の芯に触れるタイミングは変えずに、音色(イメージする楽器)を変えてみる」
これめっちゃくちゃ難しいので是非やってみてください!
【 追記 】
「音階は重要だ」というご意見いただきましたが、それは当たり前です。
しかし、音階は音階としてやればいい。ハノンを使う必要性はそこまで感じません。
そして、
どんな曲でもメロディーを単純化したら全ては音階になるので、音階を ‘音楽的に’ 弾けないといけない。
音楽的に弾いていない人が多すぎるので、この記事を書いたのです。