こんにちは、しもんです!
音楽には
・リズム
・メロディー
・ハーモニー
という3つの要素があります。
この3つの要素を、有意識と無意識を繰り返して深く自然に感じていくのが練習です。
最初はどんなことをするにしても意識的にしないとできないですよね。
意識してやっていう内に脳の情報処理に時間がかからなくなって無意識でできるようになっていくのです。
そして、さらに深いことを考えたり感じたりする時にまた有意識にしていく、それを無意識でできるまでやる…これが練習です。
深く感じていくことを考えたら、音階(音階はメロディーの基本)一つとっても、無限に練習できることがわかります。
今日は「リズム・メロディー・ハーモニー」がわかっている前提で話します。
バッハの練習方法はすべての曲に応用できる
先日のYouTube生放送で少し厳しいことを言いました。
本当にこれはその通りで、
バッハの練習方法が全ての曲に応用できるので、バッハを勉強しないのはピアノをうまくなるのを放棄しているのと同じと言っても過言ではないんですよね。
どういうことか簡単に説明します。
超シンプルです。
ポリフォニー音楽(多声音楽)
クラシックに限らず、曲は複数の声部でできています。
例えば、右手と左手に分かれているとしたら、右手で最低でも1人、左手も最低1人は歌っている人がいるはずです。
もし左手が伴奏的な音を使っているとしたら、歌っている人は2〜3人いるかもしれません。(人間1人から出せる声は1つなので、音が多ければ多いほど歌う人間が増える)
右手ももし音が2つ使われていたら歌っている人は2人です。
ピアノは簡単に音が出てしまう楽器
ピアノを弾くという行為は、1人で何人もの歌を表現するってことなのですが、
ピアノという楽器は押せば音が出てしまうので、
✔︎ 一つの声部に1人の人の命(魂)が宿っている
という感覚になりづらいと思います。
目指すべきは、「一つ一つの声部に対して命をかけて歌っている人がいる」という感覚を持って弾くことです。
何も考えずとも、感じずとも音が出てしまうピアノは、
本当の意味で音楽を表現するのは難しい楽器なのです。
だからこそバッハの練習法における考え方が役に立ちます。
バッハはシンプルで複雑
バッハのピアノ曲は2声〜5声まで色々とありますが、どの声部も一つの旋律を歌っています。(ものすごく当たり前のことを言いました。笑)
その一つ一つの声部を愛して音楽を表現して、初めて全ての声部を演奏することができます。
3声の曲であれば、
・上声
・中声
・下声
があって、
1声ずつ練習していくのですが、1声の練習だけでも
・頭で音を鳴らしてピアノは弾かない
・声に出して歌ってみてピアノは弾かない
・実際に歌いながらピアノで弾く
・頭で音を鳴らしながらピアノで弾く
という練習ができます。
実際に歌うことで脳の情報処理能力は格段に成長します。
(声に出して歌いながらピアノを弾くときは、自分のピアノの音が聞こえづらくなるので声を加減する。ピアノの音はちゃんと耳で聴くようにする)
さらに2声になったら、(上声と中声の場合)
・上声を弾いて中声を歌う
・上声を弾いて中声を頭で鳴らす
・中声を弾いて上声を歌う
・中声を弾いて上声を頭で鳴らす
・最終的に、上声と中声を一緒に弾く
こういう練習ができます。
きっとほとんどのバッハ学習者は2声を練習するときに、一番最後に書いた「上声と中声を一緒に弾く」しかやっていません。
それでは不十分です。
そして、3声になったら、2声を弾いて1声を歌ったり頭で鳴らしたり…という練習が必要になります。
・上声と中声を弾いて下声を歌う(or 頭で鳴らす)
・上声と下声を弾いて中声を歌う(or 頭で鳴らす)
・中声と下声を弾いて上声を歌う(or 頭で鳴らす)
・最終的に、3声すべて一緒に弾く
こうやって緻密に練習して、頭の情報処理を楽にしていきます。
そうすれば、ポリフォニー(複数の声部がある音楽)でもすべての声部を愛して思い入れを持って表現することができます。
これがバッハの練習方法なのですが、これは全ての曲に通じる練習方法です。
根本的に何をやっているかというと、
・多声を聴き分けて歌い分ける耳と頭
を鍛えているのです。
右手と左手を練習するだけじゃ足りない
おそらくほとんどの人はピアノ曲を練習する時に
・右手→左手→両手
という感じで練習していると思いますが、そこに歌ったり頭で鳴らしたり、右手の中にある複数の声部を分けて練習したり…ということはやっているでしょうか?
まずやっていないと思います。やっているとしても質が低いか量が足りない人がほとんどだと思う。
バッハの練習を応用して、他の作曲家の曲でもやってみましょう!
それによって聞こえてくる音が変わって表現される世界が変わってきます!😊