エッセイ

本の魅力と、自分の器と、人の時間。

私は本を読むことが大好きです。

本は自分にはない様々な考え方や知識を与えてくれたり、
その登場人物の半生・人生を擬似体験するようなものなので、
本を読めば読むほど、少なからず人生は豊かになります。

5歳の時に《天路歴程物語 危険な旅》という、130ページほどある挿絵付きの本を5,6時間かけて3回読んでも飽きないくらい昔から本好きでした。

小学校の時は《シートン動物記》や《ファーブル昆虫記》はもちろん、《長くつ下のピッピ》や《ナルニア国物語》、《モモ》、その他ファンタジー小説多数に夢中になり、
ジブリの映画『耳をすませば』のせいじ君ばりに本の貸出しカードに名前を書きまくったのですが、
中学・高校の時はあまり小説を読むために時間を使った記憶がなく、
三浦綾子と宮部みゆきにハマったくらいでした。


大学に入ってから、
とある尊敬する方に「宮本武蔵を読みなさい。」と言われ、
それがきっかけでまた本の虫に。

吉川英治《宮本武蔵》は全部読むのに半年かかったのですが、そこから長編小説に没頭します。

司馬遼太郎と浅田次郎をとにかく読み漁ることから始まり、
SF小説や官能小説までどんなジャンルでも読んでみて、
一時期は一ヶ月に5000円以上も小説に費やしてました…(笑)

本屋さんに行くとエネルギーをもらうので三日に一回は通っていたのですが、
ある日、村山由佳《星々の舟》(登場人物全員、壮絶な経験と重い心の悩みを負っている)を読み終わってから本屋さんに行くと
本たちが語りかけてくる「自分を読んで!」というオーラに強い圧迫感を覚えて、

「今はもう新しい誰かの人生を自分の中に受け入れる器がない…!!」と思い、
10日間くらい本の背表紙すら見ることができませんでした。

そんな体験は初めてでショックだったのですが、それ以降は楽しく読書を続ける生活を送っていました。

しかし先日
神保町の古書店街に行った時に
 
書いた人や、今までその古書を読んだ人の思い、本が持つ膨大な量の知識などが自分の目の前に立ちはだかり、
「あ…この書物たちを自分は全部読むことなんてできないんだよな…」という当たり前のことを思って人生の短さを感じました。


しかし、何かに没頭したり集中することで、人生の価値は確実に上がる。

今までの人生を振り返ると、どんなことも無駄ではなく必要なことだったと思えるけれども、
もっと真剣に、価値がある道を選択していこうと思いました。


まぁ、
また無駄な時間を使う→楽観主義なので自分を赦す、の繰り返しになることは目に見えているし、もう自分の中の矛盾を楽しんですらいる。笑


とにかく!
本が与えてくれるものは無限大。
自分にとっては音楽と同じくらい価値がある。