指が回る(速く動く)こと自体は悪いことではないと思います。
ただ、クラシック音楽においてはこれが致命的に音楽性を左右してしまうことがある。
演奏する時は、
心で感じて頭で考えたことが音として伝わっているかを耳で確認する。
私の場合は、
自分で想像した音を実際に演奏する前から耳で聴いているようなイメージなのですが、
指の速さが先行してしまう人は、心と頭がついていかないことがある。
ということは、自分の心や考えを反映した声や歌になっていないということ。
心で感じて頭で考えて、弾いて、耳で聴く。
これが順番。
人と話すときに、心で感じたことや頭で考えたことを話さなかったらどうなるだろうか。
相手からの反応を聞かなかったらどうなるだろうか。
…残念ながら会話にはならない。
ただ指を動かして弾くだけだと不十分 で、
クラシック音楽としての大きな魅力が欠けてしまうどころかマイナスになってしまうこともありうる。
自分の演奏のどこに存在価値を見出すか。
もし、指がただ速く動いて音量が出せて、バビーンとかっこよく弾くことを目的とするならそれで良い。
アマチュアとしては何も問題ない。
音楽の楽しみ方は人それぞれだから。
ただ、プロでまだその域にいるとしたら
まだクラシックの素晴らしさの一部しか知らないのだと思う。
演奏家としての存在価値については、大学時代に本当に悩みました。
答えは一人ひとり違うだろうけれど、その人の魅力を出すためには
「自分の声で語る」
ということが前提としてあると思います。
自分が人間として成長していきつつ、そのままの自分を音楽に反映させる。
それが一番自然だと私は考えています。
心で感じたこと・頭で考えたことを音に反映させるために練習(耳で聴いて確認すること)は絶対に必要だけど、
ただ単に弾けるようになるための練習では演奏は魅力的にならない。
本を読んで他人の人生を疑似体験する・自分には無い新しい考え方を取り入れる。
自然と戯れる。
スポーツで思いっきり体を動かす。
音楽以外の芸術作品に触れる。etc.
音楽の勉強以外にも人間としての魅力を上げる方法は沢山ある。
特に学生さんは練習以外に楽しいと思えることに挑戦してみることが演奏の魅力にも繋がると思います。
演奏家としての存在価値を見つけることは本当に大事!